そんな事してる場合?
ただいま現実逃避中…
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「俺たちは志士じゃない」
演劇集団キャラメルボックス 「俺たちは志士じゃない」
観劇日 7月9日(日) 新神戸オリエンタル劇場
【出演】浅野雅博(文学座) 細見大輔 温井麻耶 西川浩幸 大家仁志(青年座) 左東広之 筒井俊作 實川貴美子 坂口理恵 渡邊安理 武田浩二(アクションクラブ) 多田直人
【あらすじ】舞台は幕末の京都。江戸生まれの浪人・神田松吉と品川竹次郎は、新選組に追われて逃亡中。偶然出会った岩国藩士・鶴橋清之助に、あろうことか、坂本竜馬と中岡慎太郎に間違えられ、商家の土蔵に匿われる。正体がバレたら、新選組に突き出される。やむを得ず、坂本と中岡のフリを始めた二人だったが、やがてその土蔵に勤皇の志士・桂小五郎がやってくることに。はたして二人は無事に江戸に帰れるだろうか? (演劇集団キャラメルボックス公式サイトより)
'94年に「キャラメルボックス アナザーフェイス」として惑星ピスタチオ(解散)との共演が初演、'98年に劇団単独で再演、そして今度が三演目。演出に劇団M.O.Pのマキノノゾミ氏を迎えてのリメイク版です。(以下ネタばれあり)
リメイクというだけあって、脚本も登場人物もセットも変わっていました。前回とは別の作品と考えて、今回の舞台に対する感想だけ書こうかとも思ったのですが、やはりついつい比べてしまいます。'98年版は観ていないので、以後「前回」と書いているのは「初演」と言う意味です。
パンフレットの中でマキノ氏自身が書かれていましたが、オーソドックスな演出です。いつものテンポ良さがなく、キャラメルらしくない、「ふつうのお芝居」って感じ。「キャラメルの芝居が好き」という人にはちょっと味気ないかも知れない。前回が勢いで行った感があるのに対し、ちょっと大人の芝居って感じです。
前回の舞台セットはお座敷がどーんとあって、それがその時々で旅籠になったり岩国藩邸になったり、新選組の屯所になったりしたのですが、今回は場面転換がなく、視点が菓子屋の土蔵と庭に限られます。そのかわり、キャラメルの芝居には珍しく暗転がありました。暗転の後は、ちゃんと土蔵の横の雪だるまが溶けていたりして、けっこう細かい。
前回は登場人物1人1人のキャラがたっていたのですが、今回特別際立ったキャラの人はあまり居ませんでした。坂口さんと西川さんぐらい。(まぁ、前回はピスタチオでしたし・・・)。特に竹次郎は前回、中岡慎太郎のフリをして岩国藩士たちに接するうちに成長していく人物で、どちらかというと松吉よりも竹次郎がメインなのかと思っていましたが、今回あまり目立ちませんでした。
美咲は・・・前回けっこう好きだったんだけど、今回のは苦手。っていうか見ててムカつきました。そういう人物設定なのか、實川さんの演技のせいなのか。男勝りで攘夷の志は強いんだけれど、自分では何もできなくてヒステリックに人にあたるし、すぐ人を見た目で判断して人を見下すような言葉を言う。なんだか言い方にも可愛げがないんだよなぁ。自分の許婚者をそこまで貶めて言わなくても…。
かえで役の温井さん、「我名は虹」の時も思いましたが、着物が似合って色っぽい。キャラメルでは珍しいタイプの役者さんです。
坂口さんは今回のぬいや、「風を継ぐ者」のつぐみのおばさん等の「おばちゃん」系の役をやらせたら天下一品。今回は神出鬼没(実は忍者?)の活躍っぷり。桂小五郎役の西川さんとともに、このお二人を見ていると「やっぱりキャラメルのお芝居」と安心(?)してしまう。(それがいいのかどうかは別として)
新選組は前回に比べて、出番少なし。前回ほど「悪」には描かれてませんでした。沖田といえば菅野さんの「ニッコリ笑って、バサーッ」っていうのが忘れられないんですが、今回の沖田、ちょっと不気味。
それにしてもキャラメルの芝居で描かれる新選組って、ちょっと甘いなぁといつも思います。沖田が一人で屋根を上って商家の庭に探りに来るって…考えられないんですけど。で、その時絶対、新選組の脱走者である松吉の顔見てると思うんですが(まぁ、その時は気付かなかったのか、見えてなかったのか、思い出せなかったのか)スルー。
ラスト近くでも一人勝手に入ってくる沖田、それを土方が追いかけてきて桂小五郎が居る事が判ったにもかかわらず、他の隊士達に「ここは俺と沖田だけでいい、お前らは来るな」みたいな発言(っていうか命令)あり得ない!それって新選組を預かる指揮官としてどうよ!?しかも5対2で不利な状況でこの発言。桂ほどの大物を取り逃がしたらどうするの!?
結局、天王寺様の「この方は薩摩の中村半次郎様です」という言葉を嘘だと思いつつも、退かなくてはならなくなるのですが、脱走者の2人はお構いなしかよ!?甘い!甘すぎるぞ土方!
今回は2階席、しかも一番右端からの観劇。1階でいうと5列目くらいの位置なので、舞台にはけっこう近いんですが、屋根上での演技が半分くらいしか見えませんでした。残念。
落ち着いた芝居を観たいという人には今回の演出がいいのかも知れません。私的には前回の方が、なんだか熱いものが伝わってきて好きです。ちょっとギャグに走りすぎている所はありましたが。(何度も言いますがwithピスタチオなんで)
次回公演は「雨と夢のあとに」です。今回、忘れずに先行予約の開始時間に電話をかけ、ワンコールで繋がったのですが、諸事情により行けなくなりました。残念です。
今日はもう千秋楽ですね、感想書くのに1週間もかかってしまった…。
今日は7月最後のお芝居「アワ ハウス」を観に行って来ます。
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