新人さん、初出勤

先日子供連れで面接に来た人が、今日初出勤。
おっとりしていると言うかなんというか・・・「ちょっと浮世離れした奥さん」という感じの人だ。
とにかく何をするのもマイペースというか、スローである。ユニフォームの作務衣の上下に着替えてもらうだけで１０分。その後靴下と靴を履くのに３分。こちらは掃除の最初から教えようと待ってるのだが、あまりに遅いので先に始める。「ちょっと急いで。営業時間に間に合わなくなるから」と急がす。

飲食店に何軒も勤めていたわりには、身だしなみに気を遣っていない。さすがに面接時に言われた爪は切ってきていたが、宝塚の女優さん並みのアイシャドウ（ダンナに言われて、後で落としていた）、指輪はしたままだし、手洗いも適当。「爪ブラシで指と爪の間を洗って」と言うと、首をかしげて「やったことないから・・・わからない」と言う。いや、単にブラシで爪と指の間をこするだけなんですけど。「手洗い」って、飲食店で働く者にとっては基本中の基本。ホール専門だったと言っても、絶対キチンと教わってると思うのだが･･･。

とにかく、すべてにおいてスローである。今日が初日だという事を差し引いても。まるで流れてる時間が違うかのようだ。ベテランのパートさんが説明してくれてるのに、腕を前でクロスしたまま、よそ見をしている。だんだんイライラが募る。新人さんが一瞬事務所の方へ行った時、ベテランのパートさんが私の方を向いて、ため息をついて首を振った。小さい声で「ダメです」と。めったに人のことを悪く言う人ではないのだ。

営業が始まった。今日の仕事はとりあえず、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の声出しと、お客さんにお冷を出す事。あとは洗い物。お客さんが来る。ボーっとしているのでダンナが「お冷出して」と言う。せいぜい５～６人も続けば、お客さんが来るとお冷をつぐと言うのはわかりそうなものだが（ずっとよそでもホールの仕事をしていたんだし）、いつまでたっても「お冷出して」というまでボーっとしているか洗い物をしている。イライラする。普段、いらちなダンナがいつキレるか心配していたが、意外にもダンナはまだ大丈夫なようだ。私の方が先にキレそうだ。

時間になったのであがってもらい、ダンナと面談。最初、ダンナは断るつもりだったみたいなのだが、本人が「がんばります」というので、とりあえず明日も来てもらう事に。でも明日は今日の倍のスピードで仕事をしてもらわないと、とてもじゃないが間に合わない。だって明日からはベテランのパートさんは来ないんだから。

確かに人は欲しい。でもそれなりに動いてくれる人じゃないと、イライラしてストレスが溜まってこちらが疲れるだけである。まだ自分で動いた方がいい。「初日だから緊張していたのかもしれない」とひいき目に考えてみる。でも、もう１人の新人さんは決して覚えるのが早い方ではないけれど、「早く仕事ができるようになろう。すすんで仕事をしよう。」という意気込みが伝わって来たのに、今日の新人さんには、それが感じられない・・・。

さぁ、明日は新人さん２人だ。どうなる？